38歳でASDと診断された女の話

アラサー。自閉症スペクトラム、社会不安障害、HSP、うつ傾向あり。

痛みを伴う別れ

痛みを伴ってお別れをしてきた

2022年5月から2023年1月まで約1年8ヶ月お世話になった職場を退職した

初めて家族経営の職場で働いた

自分の親よりトス上の人らが多く、ジェネレーションギャップがあり、初めは煙たく感じていたけれども、だんだんと人間性の豊かさや地域密着型の人柄に大いに引かれた

同僚として一緒に働いた女性は70歳を過ぎていて、平日の3日間一緒の時間を過ごした

暇な時間がちょこちょこあって、1人で思索に耽るのが好きな私は、特に喋らなくても平気な方だったが、同僚さんは朗らかな方で、おしゃべりが上手だった

 

今思い返すと、うたかたのような時間だった

何気ない時間で、でもそれが愛おしい

もうどんなことを話していたのか、具体的に思い出せないけれど、優しくて幸せだったことは確かだ

世間知らずの私は自分の不出来さや世の中の理不尽さにイライラして、それを表現するのも抵抗があって、good、心の中に押しとどめていた

結果、いつもブスッとして不機嫌な面が多かったと思う

でも、そんな私に職場の人達は寛容だった

ささくれだった精神が、いつも夜待って、安定したことがあった

残念ながら自分の中で人情とか感性豊かなとか、そういうものは低いんだけれど、年のコートを場数を踏んで見知らぬ人にもニコニコと接することが増えてきた

 

前に進んでね

 

同僚だった70代の女性は、私に語りかけてくれた

ついにか月前は一緒に平日午後働いていたのに、もう遠い昔のようだ

彼女の住む家は立派な一戸建てで、過去旦那さんと子供さんが住んでいたという

実の母親の介護もしていたと聞いた

今は彼女と飼い犬1匹のみが住んでいる

静かに静かに、この家に流れる時間は収縮していきやがて止まって朽ちていくんだろうかと思った

私の実の親にも、いずれその時が来る

そして、私だって例外じゃない

今年の誕生日を迎えれば、私は40歳になる

 

10、年後のことも考えておきなさいよ

 

母に言われた言葉に現実を突きつけられ、気持ちが焦るものだが、今自分が手足をジタバタとしたところで劇的に良い方へ変わるわけではない、せっかちは私の悪いところだ

動いてみて思いのほか心はダメージを受けて体は思い通りに動いてくれないのだと経験してわかった

 

ありがとう

 

憑き物が取れたように、今は心が落ち着いている

自分も他の人にも怪我をさせないように

 

足の手術で入院することになった彼女が入院生活の事を伏せきららに語ってくれたが、人間の体も心も本当に本当に思い通りにならないし、痛みや熱でごっそり気力が持っていかれるんだと改めて知った

今までずっとありがたさが実感できなかった

だから、自分の心も体も傷つくようにして、そうすればいずれは自分の心も体も反省してもっとありがたみとやらを感じるんじゃないかと期待していた

けれど、やってみてわかったけれど、私は自分が困るからという理由で頑張る気にはなれなかった

大切な女性の年上の方から学ばせていただいたことが大きくて、自分の身から溢れるほどの愛情を頂いたことがきっかけで自分なりの方法で体や心を大切にしようと思えた

 

自分と同年代の友達はもっと違う方法で諦めたり、割り切ったり、どこかで踏ん切りをつけるということをしていたけれど、私はようやく少し生きるということに前向きになれた気がする

 

これはその備忘録。